風来のシレン、ポケモン、麻雀 ラックマジネメントゲームを考える3

初代シレンのエンディングを見てからしばらく経ったので、ここで再びゲームの運要素とそれと向き合うプレイヤーの体験の質について考えることにした

まずシレンは、プレイ経験とNPCのセリフなどゲーム中に散りばめられたヒントと敵の行動を観察した経験によって知識を得て
その知識を利用することによって、
今プレイヤー置かれている状況から何が起こるか、どんな戦略が有効かを予測し
死のリスクという最大の一線を超えないように限られたリソースを活用して立ち回るラックマネジメントゲームである

ここで重要なのは「対処不能な状況へ至る前にそれを回避する戦略を取ることが出来る」ことにある
フロアを降りた直後に強い敵3体に囲まれるということが発生し、その場合に巻物などを持っていないと詰んでしまうが‥‥
一見運死にに見えるこの状況も、回避できないことはないバランスになっている
それは
『1フロアで必ず数個はアイテムが手に入るようになっている事』と、『フロアの敵が枯渇せず湧き続ける事』、『ただ使うだけでは武器が弱くなったり壊れたりしない事』
がミソで
同じフロアに留まるほどレベルは上がるし、ピンチを切り抜けるのに有用なアイテムを手に入る確率も上がり、腹減りもよほど無駄な動きをしなければまず困らないようなバランスになっているので
同じフロアで探索・レベリングをすることの危険度が低い設定が揃っている
運が悪くても矢や杖の数が足りるのかは繰り返しプレイしなければわからないが、倉庫によるアイテムの持ち込みを利用することでより安定させることが出来る

それでいてかつ敵が非常に強く難しいので、強いアイテムが出た時の幸福感、それを使う消費欲の解消、先へ進む達成感を感じさせてくれる

ゲームがプレイヤーにできる「予測」と「対処」にどれだけ近づけるかが、運に対して理不尽さや無力さを感じさせないポイントなのかもしれない




一方でポケモンには、大きく分けて2つの運要素がある
一つは対戦用育成、もう一つは対戦中の確率である
一人プレイでは難しければレベルを上げるか詰まった場所を突破できるポケモンを用意するかなので、ラックマネジメントはあまり関係がない
対戦用育成における厳選は、完全な運でしかなくコントロール不可能な作業であり
プレイヤーにできることといえば厳選に必要な環境の下準備をゲーム内外ですることくらいで
なくすに越したことがない要素といえる

対戦中の確率は、支配戦略を定める範疇に収まっており

特に命中率という要素では技が4つという制限に現実的には相性が悪くなっている
例えばだいもんじとかえんほうしゃを同時に覚えさせることができるポケモンはいるし、第四世代くらいの頃はまだそれを実践しているプレイヤーもいたが
往々にして技の枠が一つ余るということはなく(ダブルバトルでは尚更)有効な戦略とは言えないため、ただゲーム側でできるように設定されているだけで実際にそれを行うことはない

タイプによる差も第八世代現在もあり、対戦で通用するステータスでかつストーンエッジとパワージェムを両立させるなんてことができるポケモンは存在しない

結果として命中率についてはもう期待値に期待して命中率の低い技を撃つか、命中100の技を中心に構築したパーティを使うしか無いわけで
実質的にマネジメント不能な運要素となってしまっている

ひるみや麻痺といった追加効果については、トゲキッスやランドロスを突破できるポケモンを選出するか、何らかの状態異常に備えてアイテムの補助が必要ないポケモンにラムのみを持たせるという極めて限定された対処法しかなく
種族値の低いポケモンでこういったものを利用して長期的に勝ち越すこともなく、これもまたマネジメントができるという範疇を出てしまっている

ただはじめに言ったようにこれらは支配戦略を定める要素にはなっており、
相手の支配戦略を見極めて行動を決定するというゲームにはなっている
だがそれによって問題点が埋もれ、対戦までに面白さがない単純作業を必須でやらされるとか、好きなポケモンで勝てないとか、いまだに所持人口に対して対戦人口があまりに少ない状態が続いている
自分自身ももうやる気がないし、それよりもまずオンライン有料を撤回しろと言いたいが‥‥




これらを踏まえてもう一度麻雀を見ると

だいぶ運に対する有効打が無いように見え、できることといえば
振り込まないようにすることと、待ちを切り替えることくらいだろうか
勝っている時は安い役でアガるとか、危険牌になりうるものを早く捨てるとか戦略性はある
そして防御ばかりしているといつかツモられて負ける
しかし運だけで東風戦に勝つこともでき、一定の公平さがある
予測と対処から遠いにもかかわらず、ただ運を味方につけやすいという点だけで理不尽、無力から遠ざかっている

一方で、ジャンケンに理不尽さや無力さを感じる人もいない
麻雀は飽きないように装飾したジャンケンなのか?
ジャンケンの工程を増やせばジャンケンではなくなるのか?

麻雀をこれ以上考えるには、麻雀をきちんと学ばなければならない

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