グウェントという、デジタルTCGがある
https://www.playgwent.com/ja
最初に10枚カードを引き(以降ラウンド開始時以外でカードは引かない)
1ターンに1枚カードを自分の場に出し合って、お互いがパスした時に自分の場に出ているカードの「戦力値」の合計が多いほうがラウンドに勝利するというルールで
ギャザライクを脱したエポックメイキングなゲームである
元はウィッチャーのゲーム内ミニゲームだがそっちは知らん
最近正式版として登場したが、このゲームが出た当初、β版の初期は全く別のゲームだった
列は3列、特殊な物を除いてカードには配置列が決められていて
対策したいカードの指定列に出される前にあらかじめ天候を敷いておくとか、列に対しての攻撃カードを防いだり使わせたりすることもカードを出す順番の考慮に入っていたり
最初からかなりルールが洗練されていた
しかしバランス調整アップデートを繰り返し、一部の強すぎるカードをエラッタし下方修正する過程で収集がつかなくなり、ゲームのルール自体に3つ、大きな改悪を加えた
1つ目はこのゲームの大きな特徴であった列に影響を与える「天候」カードの効果全般が大幅に弱体化され、それに伴って関連カードが全く別の効果になった
2つ目は枚数制限のあるゴールド枠のカードが効果やダメージを受けないという仕様が削除され、対策として有効だった一部のカードを腐らせ戦略の幅を狭くした
2つ目は全てのカードから配置列の指定がなくなり元々強かった指揮官の角笛(同列の5体に戦力値ブースト)が強くなりすぎた
致命的だったのはそのルール変更だが、そもそもバランス調整自体がうまくいっていなかったのが原因にある
プレイヤーの流行に反応して対症療法をしただけで本質的に強いカードは放置されたりした
最大と最小の戦力値を入れ替えるため20点以上の戦力値のアドバンテージを得られ、しかも勢力フリーのベッカーの邪鏡が下方修正をされても最大20点になっただけなので必須カードの座に居座り続けていたり
既にバランス調整を繰り返し、取れるアドバンテージを考慮されて然るべきなタイミングに追加された新カードであるにも関わらず、ただでさえ戦力値が高いのに、アーマーが増え続けるためダメージデッキを1枚で終わらせるトロロロなど
結局強すぎるカード・勢力はどれかにあり、弱体化やルール変更によってつまらなくなってしまうカード・勢力が増えるだけで
プレイヤーはそのカード(格ゲーなら練習・研究した技の性能やコンボ、行動パターン)を手に入れるために費やした時間と労力を無下にされたのに加えてそういった不満を与えられる
そのように格ゲーなどの対戦ゲームと同じ道をたどった結果、正式版で列が2列、デッキコストの追加、全てのカードが全く別の戦力値と効果になるなど全く別のゲームに変更され
今までプレイしていたプレイヤーは持っていたカードを全て消され、カードを生成できる紙片に変換という形で補填された
しかしゲーム部分のルールだけでなくUIやシステムなど全てを正式版という名目で作り直してしまったので、現在バグが大量にあり
その紙片も同じカードを2枚目以降変換できなかったり、メニューが読み込み中のまま対戦マッチングして操作不能になり試合が始まっているのにゲームをウィンドウごと閉じて切断するしかなくなったり
1年半もの間続けていたベータ版で解消されたバグやメニュー周りの挙動の改善が全て無になった
もちろんゲームのバランス調整や変更もなので、相当無駄になっている
新しく作り直しただけなので過去の調整や新カードの失敗が活かされているようにも見えず、必ず強すぎるカード・勢力バランスは表れるし
きっと同じ事が繰り返されるだろう
バランス調整アップデートを繰り返した末路として、β版グウェントという初期に完成されていた一つのゲームが
もう誰もプレイできずアプデで上書きなためアーカイブもしようがないので
世界から消滅しただけだった
ゲームのバランス調整でそれまでやっていた人が不満で減っても、増えることはない
既に完成されたゲームをいかに深めるか、の方が有意義だ
バランス調整程度の変更では理想形になることはないのに変えなくて良い物まで変え、既に完成していたルールごとめちゃくちゃにした挙げ句、グウェントホームカミングというまったく別のゲームで上書きするのは最悪の手である
では良い手とは何か?
それは続編だ
バランス調整も大幅なシステム変更も新規タイトルとしてやればいい
格ゲーやMOBAだけじゃない、一見アップデートによるエラッタが利点に見えたTCGというジャンルであるグウェントの辿った道が失敗だったようにどんなゲームだってそうだ
その方が一つのゲームを大事にプレイできるし、続編のありがたみも高まる
新規参入者を取り入れる方に労力を使わずにプレイヤーの体験を無視してゲーム内容を後からいじくるのを繰り返し、お金を払って一度手に入れたものを取り上げて裏切る(取り上げるというのは紙片として補填されたカードのことではなく、プレイヤーが修正前のゲームで積み上げたプレイや学習の体験、のこと)のはただの自己満足である
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